介護施設で働く時に役に立つスキル

超高齢化社会を迎え、介護を必要としている人が増加しており、介護施設や訪問介護などで働く介護者も多く必要になってきています。その中で深刻な問題になっているのが、介護者の身体的負担です。入浴や排泄、移乗介助などの身体介護に於いて無理な体勢で持ち上げたり、支えるなどの動作で、体を痛めることが頻発しています。介護施設では、利用者の体格や障害の程度も様々である上に、介助の頻度も高く、さらに長時間勤務や夜勤などで身体を酷使し疲弊していく介護者が多くいます。最も多いのが腰痛です。これは力の入れ方が偏っている為に、身体に負担をかけていることが原因です。これらを少しでも軽減すべく、提案されたのが古武術介護です。
古武術介護は介護福祉士の岡田信一郎氏が提案している介護技術です。岡田氏の著書のタイトルがきっかけでこの呼び名が定着しています。岡田氏は介護者として働く中で、身体の負担を減らす方法を模索した結果、古武術研究家の身体操法を介助に取り入れて応用することに着目し、この技術を考案しました。古武術の動きは、昔の武術家が会得していたもので、筋力に頼らず体全体を連動させて効率良く使う技術です。
この古武術介護は資格ではなく、単なるスキルですが、腕や足の筋力に頼らず、体幹を中心に全身の筋肉を連動させて使うことで、楽に持ち上げたり、支えたりすることが可能になります。介護者の負担軽減と共に、利用者も心地良く介助を受けることが出来ます。また普段の生活やスポーツにも役立てることが出来ます。
古武術介護の修得には、岡田氏が主催するセミナーの受講や著書やDVDで勉強する方法があります。